kiyo_hikoのブログ

メモ+日記?

昭和天皇伝

昭和天皇は近現代日本で最も尊敬する方であるし、昨日本屋で見かけて即購入して読んだ。


昭和天皇伝

昭和天皇伝

  • 即位後しばらく、まだ若輩であるうちに政治的な寄る辺となる人物がほとんどおらず失策を積んでしまい軍部の暴走の遠因となってしまったこと (原敬が存命なら太平洋戦争はなかったかも、とも) 。
  • 幾つもの危機を乗り越えた太平洋戦争期における高度で政治的な判断。

その後の日本復興における精神的支柱になられた話もあるけども、まあ上記2項が印象に残った。


昭和天皇は素晴らしく律儀で潔癖な方であったけれども、政治実務の教育は当初あまり充実していなかったらしい。そして政界で頼れる大物が西園寺公望のみという状況下、当初政治ではとても苦労されたらしい。種々の事件を経て成長され、陸軍の暴走に心を痛めつつも開戦、無条件降伏に至った。


東久邇宮を開戦首相にしないため、東条英機を首相に据える (あと東条は日米開戦をとにかく避けるため相当の努力をしたらしい) だとか、連合国の占領を秩序を持って受け入れ、進駐軍に日本を更に抑圧させる理由を作らせないなど、混迷の中なし崩し的に戦争に突入・敗戦してしまった中、それでも打つべき布石はしっかり打ち、GHQの占領下、本邦の主権回復ののち戦後日本の在り方を控えめにリードし、日本再建の精神的支柱として尽くされたその生涯にはやっぱり感服するしかない。


あとがきまで564ページある。内容が濃く書かれていてとても満足した。